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2005年02月01日
VOL.4「真の顧客満足度について・・・」
最近、私たち製造業の世界でも「顧客満足度業界何位か?」と言うことが、よく話題にのぼります。
一般に製造業の顧客満足度の把握は間接的であって、ホテル・旅館業などのサービス業のように直接お客の生の声が聞こえてくる訳ではありません。
だから、いくら「業界トップの顧客満足度」と謳っていたとしても、お客様の喜びの声や満足感が、製造に関わる人に伝わっていないところが問題です。
つまり、製造現場とお客様の距離が遠いと、お客様の声が届いてこないだけでなく、逆に作り手の思いやこだわりも伝わりにくく、結果的に顧客満足度の高い製品が作られないのではと思います。
そうなれば、お客様と作り手との気持ちが通じ合うなんて・・・絶対にありえない話です。
「それでは、どうすればよいのか?」ということになりますが、私は作り手がお客様の声を聞くために、自ら足を運ぶ事だと思います。
それによって、「お客様が何に満足し感動するのか?」「何に対して不満を持ち気に入らないのか?」が見えてくると思うのです。
そして、独り善がりの作り手の論理は、それを実際に購入するお客様の前では通用しないことに気付くのです。
私たち赤装も、つい最近までは顧客の顔の見えない、ゼネコンやメーカーからの下請け仕事が大半を占めていた時期がありました。
しかし、オリジナルのオーダー家具をお客様から直接注文いただくようになってからは、お客様のご自宅に家具職人も同行することも多くなり、お客様やご家族のことを理解したうえで製作するため、より満足度の高い家具作りが実現できています。
そして、納品に伺った際のお客様の喜びが、彼らの一番のモチベーションになっていることは間違いありません。
単に「納期が早い」「クレームが少ない」「製品管理が厳密」といった現状の顧客満足度調査に出てくる項目は、あくまでも尺度でしかなく、真の顧客満足度とは食い違っているように思えてなりません。
もの作りに携わる人たちを数字で測り始めるとキリがありませんし、画一的でミスのない製品は出来ても、想像性豊かな感動を与える作品が生まれにくい土壌を作ることになりかねません。
製造業における真の顧客満足とは、お客様が製品を手にしたときの感動や喜びであり、その時の笑顔が何よりの証拠だと思います。それを目の当たりにする意味でも、作り手はお客様のまえに出て行くべきです。
そろそろ真の顧客満足の基準にシフトしても良いのではと思います。そして、私も作り手としてそうありたいと思います。
投稿者 redwood : 2005年02月01日 13:02